VOL13 今野華都子

<インタビュアー:榎戸 淳一>

プロフィール
宮城県出身。日本エステティック業協会認定インターナショナルエステティシャン。第1回LPGインターナショナルコンテストL6(フェイシャル部門)において日本最優秀賞を受賞し、2004年12月フランスでの審査の結果、世界110ヶ国の中で最優秀グランプリ(世界一位)を受賞したフェイシャルの世界第一人者。全国のエステサロン経営者を対象に「技術も経営もすべては人創りから」との理念を伝え続けている。2007年4月より、タラサ志摩スパ&リゾート株式会社取締役社長に就任。

「人としてどうあるべきかを教える」

私は20人ほどの会社から、急に200人規模の会社の社長になりました。周りからは「よくできますね」とよく言われますが、私はどんな規模の会社になっても、結局は1対1の個人と対話をしているわけですから、何も変わることはないのです。私がスタッフにアドバイスをするときは、その職業としてではなく、「人としてどうあるべきか」を中心に伝えています。スタッフ教育は、第一に「人としての土台教育」をしてあげることが重要だと思っています。土台教育ができていれば、あとは何が足りないかを教えてあげるだけで、そのスタッフは自ら成長していきます。そのときに注意すべきことは、スタッフを頭ごなしに否定しないことです。人は誰でも否定されると、反発したくなるものです。否定するのではなく、判断基準を教えてあげることが重要だと思うのです。私が教えている判断基準は、「損得ではなく、良心で判断する」ということです。決してスタッフを型にははめることはしません。判断基準という枠を示してあげ、スタッフがこの枠からはみ出しそうになったとき、軌道修正してあげるだけでよいのです。

「自分の内面に向かって、自分を磨く」

私は、スタッフには目標を持たせて、それに向かって個性を伸ばしていくように教育しています。もちろんスタッフは失敗もします。しかし、失敗した経験から得ることが多くあります。だから「責任は私が取るから」と失敗を認め、積極的にチャレンジさせています。その結果がスタッフの人間性の成長が会社の利益となって返ってきます。もちろん、勝ち方を教えないで、鞭だけ打っても効果は薄く、経営者自らが見本となることが大切です。経営者は「経営者がこのようにしているから、スタッフが同じようにできるのは当たり前」だと思いがちですが、個性の違いを認めその人にあった声のかけ方、育て方が大切だと思います。また「自分の内面に向かって、自分の人間性を高めなさい」と常に伝えています。

「人は何のために生まれてきたのか?」

会社が向かっている方向性とスタッフが向いている方向性を同じにすることは非常に重要なことです。私はスタッフとその価値観を共有するために「人は何のために生まれてきたと思う?」「幸せって何だと思う?」とスタッフに問いかけています。1人1人幸せに対する価値観は異なります。スタッフの話もじっくり聞き、「私が思う幸せは、自分の能力を高めて、社会に還元して、人に喜んでいただくこと」だということを伝えています。そして、「人は生きるために働かなければならない。だからその仕事を楽しもう」とも伝えています。スタッフが辞めるのは、仕事が理由ではありません。「その人と働きたいかどうか」だけです。人は力だけでは動きません。いかに「そうしたいか」と思わせられるかだと思います。私はスタッフが「付いて行きたい」と思ってくれる限り、一緒にやって行きたいと思います。