会社や組織のようにさまざまな価値観を持っている人たちが行動を共にし、ひとつの目標に向かって成果をだしていくために必要なことがあります。
それが、「一体化」という考え方です。
私たち一人一人は、価値観やそれまで育ってきた環境は一人一人まったく異なります。みなさんの会社にいらっしゃる方々も、一人一人がまったくちがう環境で育ってきているはずです。出身も経験も、環境も、バラバラでひとりとしてまったく同じということはないでしょう。バラバラの方々が同じ屋根の下で働いています。
このバラバラな人達を一つにしていくことが企業には必要です。
もちろん完全に一体化していくことはできないのですが、それでも、同じような考え方や思いを持つようにみんなが努力していくことは絶対的に必要なことです。強い組織には必ずこのような「思想の統一、価値観の徹底」がなされています。みんなの持つ軸をひとつにするということです。
リッツカールトンの「クレド」(リッツの考え方をまとめたもの)やディズニーランドのディズニー哲学、京セラの稲盛哲学、松下電器の松下幸之助氏の考え方。どれをとっても、「うちの会社に入ったからにはこんな考え方でお客様に接してほしい、仕事をしてほしい」ということを統一することに力を入れているのです。
こうした状態になっている会社を「同魂異才」と言います。
昨日お伺いした企業は非常に好調に推移している企業です。利益率、伸び率ともに業界トップであり、社長も若返り、大躍進している企業です。表向きの業績等は確かにいいのですが、そこの社員(幹部社員です)と打ち合わせをしていると、同社の社長の話になりました。
「うちはとにかくトップが問題なのです。トップの考え方が変わればもっといい会社になるはずなのですが。どうもしっくりいっていません。特に困るのはその場、その場ですべてが決まり、その決定理由がはっきりしないために、社員が何をどんな基準で提案していいのか分からなくなっていることです。以前の社長の時には軸が明確だったのですべての社員が何を提案すべきか、どのようなトーンでいくべきかが分かっていました。これが今は分かりません。何とかしたいのですが......」
私はこれを聞いて、「何を言っているのだ!」と怒りを覚えました。
トップが朝令暮改というのはある意味当たり前だからです。社長は社員の数百倍の人脈や情報を持ち、常に全社員にとってベストは何かを模索しなければならない仕事です。この社長の気持ちを理解していない社員に私は腹が立ちました。
しかし、一方で、同社長が社員に対してきちんと価値観を伝えられていない現状にも問題があると感じました。自分が何を大事にし、どんなことを大切にしているかを少しずつでいいですから社員に伝えなければなりません。自分の頭の中で思っていることを言葉にしなければ、社員はトップの考え方を理解できません。この社長は伝えているつもりなのですが同社の社員には、それがまったく伝わっていないのです。
私は思いました。
「これはどちらにも問題がある。どちらが悪いということではなく、両者がそれぞれのコミュニケーションを変化させていかなければ何も解決されない」
一体化というのは、そこで行動を共にする社員が、それぞれまわりに関心を持ち、どのような接し方をすればいいのかを常に考え続けることにあると思います。しかし考えるだけではだめで、やはり一体化には順番があるのです。
【一体化のステップ】
これは私共で提案している企業ブランディングの真髄でもあります。永続性のある成長企業が作るためにはこのステップを確実に踏むことです。
皆様も一瞬の伸びや、短期的な成長曲線を描くだけでは何の意味もないことをこの1年のさまざまな社会的事件で痛切に感じられたことでしょう。トヨタのリコール問題も、こうしたことに気づかせてくれるとても重要なテーマです。
これからの企業テーマはまちがいなく、永続性であり、途切れることのない社員の成長に支えられた企業運営にあると思います。そのためには企業の一体化は必ず必要になってきます。うちの会社はどんな歴史を持っているのか、どんな価値観を大切にしているのか。
抽象的なことかもしれませんが、企業が一体化していくためには「魂を同じにして、それぞれの才能を活かす」という同魂異才の考え方が求められます。同才異魂ではだめなのです。ただ単に優秀な人をたくさん集めれば業績も会社も良くなるという考え方では会社はうまくいきません。大事なのは企業の考え方に共鳴してくれる社員をたくさん作ることであり、共鳴できる環境を作ることにあるのです。ここに気づいている企業は好不況による多少の変動はあっても、強い組織になっていくようです。
■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■
【News!!】 情熱コンサルタント 岩崎剛幸の新刊が遂に発売となります!
「働きかたで未来がかわる!! 社員が誇れる会社を作る」
というタイトルで秀和システムから発売される予定です。
おそらく書店店頭に並ぶのが3月20日以降になると思います。
はっきりとした発売日が決まりましたらまたご案内させていただきます。
これからの日本企業に必要な新しい働き方について、熱く綴った書き下ろしです。
是非ともお手にとってご覧になってください。
■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■
(岩崎)


























